お酢は主に酢酸菌という微生物の働きでできあがる調味料です。
米、コーン、アルコール等から穀物酢、リンゴ果汁から純リンゴ酢、米から純米酢ができるように、原材料や製造工程を変えれば、いろいろなお酢が作れます。
実際工場でどのようにお酢が作られているのか、純米酢の工程を中心に準備から出荷までをたどってみましょう。
このマークの付いた工程名をクリックすると、その工程の説明まで一気にスキップして表示します。 | |
本文中の、このマークの付いたコメントをクリックすると、写真がコメントに対応したものへと切り替わります。 |
まずは米の浸漬から。 精白米を水の張ったタンクに約1時間浸しておきます。 浸漬が終わったら水を抜いて、蒸し工程の釜に移します。(上記写真) お米を無駄にしないよう、担当者は大きなタンクの上から最後のひと粒まで棒やブラシを使って移していきます。 |
麹菌の繁殖やアルコール発酵時での酵素作用を受けやすくするために、お米を蒸します。 米を蒸すための大きな釜に銀色の保温材を丁寧に被せ、厚い布で蓋をして下から蒸気で蒸し上げます。 時間が経つと、布がパンパンに膨れ上がり、蒸気がモクモクと吹き出してきます。 約1時間後、おこわのちょっと固めの状態で蒸し上がりです。 |
お米を糖化させる麹を作っていきます。 蒸し上がったお米を放冷機の上で冷却し、パラパラにほぐしていきます。 ひと粒ひと粒に麹菌をつけたら、製麹機へ。 およそ2日かけて、麹を作っていきます。 蒸米と麹をあわせて、糖化の工程に移ります。 |
大きなタンクの中に蒸米と麹を入れて糖化し、さらに酵母を入れて15~20℃に保ちながらアルコール発酵(糖からアルコールに変化)させます。 十分撹拌(かくはん)して仕込みが完了すると、発酵が始まります(発酵途中の写真)。 さらに、発酵開始から3~4日目に再び蒸米を加え、二段仕込みを行います。 およそ2週間で発酵は終了です。 |
アルコール発酵が終了したら、変性用のお酢を加えて圧搾ろ過機に通します。 カーテンのように連なった圧搾ろ過機で発酵完了液を絞りながらろ過し、液体と固形部分(粕)とに分けます。 搾られた液からは、日本酒のような香りがただよってきます。 ろ過された液体は、酢酸発酵室へと運ばれます。 |
次に酢酸発酵(アルコールから酢酸に変化)させます。 発酵槽に調整した仕込み液を入れて、別の発酵槽から酢酸菌を少し移植します。 しばらくすると液の表面は、酢酸菌の膜でびっしりと覆われます。 その状態を静かに保ったまま、1ヶ月かけてじっくりとお酢に変えていきます。 この醸造法は静置発酵といわれ、マルカン酢が370年にわたってこだわり続ける製法です。 |
酢酸発酵を経てできあがったお酢は、貯蔵タンクに移して約1ヶ月かけて熟成させます。 この1ヶ月間、辛抱強く寝かしておくことで、お酢のツンツンとした鼻につく香りが和らぎ、まろやかな味に仕上がるのです。 眠りから覚めたお酢はろ過されて、それぞれの製品規格に合わせて、調合されます。 |
調合、ろ過を経て完成したお酢は、いよいよ製品になります。まずは加熱殺菌処理をして酢酸菌を死滅させます(発酵を止めて、製品の劣化を防ぐため)。加熱処理後、洗浄された瓶にすばやく充填されます。 瓶に詰められた製品は、検瓶で厳しいチェックを受け、パスした製品だけがラベルを貼って箱詰めされます。 |
箱詰めされた製品は工場内の倉庫に運ばれ、出荷されます。 |
Copyright (C) Marukan Vinegar Co., Ltd. All Rights Reserved.